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全身の作業姿勢 (whole body posture)

 全身を使った作業姿勢、たとえば前かがみや中腰の姿勢での作業や体の後屈やひねりを伴う姿勢での作業による腰痛リスクや全身の身体負担の評価に利用する。

 荷物の持ち上げや運搬を伴う作業については、本手法よりも荷物取り扱い (MMH)の評価法のほうを利用する。

  1. REBA(ソフト:REBAcalc: 迅速全身評価計算ソフト):負担の高そうな特定の作業シーンでの全身の作業姿勢による負担を評価する方法。広く利用されている。
  2. OWAS(ソフト:OWAScalc: Ovako式作業姿勢分析計算ソフト):同じ作業の繰り返しとみなせるならMMHの評価法を使うが、多種多様な姿勢で作業が行われている場面の評価には本法が適している。国内外でよく利用されている。
  3. RogersのMFA(ソフト:MFAcalc: RogersのMuscle Fatigue Assessment (MFA)による筋疲労評価):全身の姿勢や力発揮による筋疲労に基づく評価法である。
  4. Utahの腰部椎間板圧縮力計算(ソフト:UBS: Utah HCBFCによる腰部椎間板圧縮力と肩関節モーメントの推定ソフト):全身姿勢による腰部負担の評価指標である腰部椎間板圧縮力を簡単に計算する方法。
  5. 生体力学モデル(ソフト:BlessPro2: 姿勢評価のための2次元生体力学解析ソフト):2次元の生体力学モデルにより作業姿勢や操作力の影響を評価する方法。作業姿勢や操作力の細かい違いを評価して改善に利用するのに適している。

(おすすめ)

  • 実績と手軽さからすると、REBA (REBAcalc)一択でしょう。考慮できる関節が多いために解剖学の知識がいくらか要求される。ただし関節角度の入力はカテゴリで行うので、そこまで厳密な理解はいらない。
  • 多彩な作業シーンを多く記録して評価したいなら、OWAS (OWAScalc)がよい。作業シーンを絞ることができるならREBAのほうが簡単でよい。OWASは姿勢区分のカテゴリが大まかなので、記録はやりやすいが改善効果の評価には適さない。
  • 姿勢や操作力の細かい影響を考慮したいなら、生体力学モデルのBlessPro2がよい。関節角データを連続量で得る必要はあるが、作業シーンの写真をデジタイズして角度を求める機能もあるので、それを使うと角度測定の手間は省ける。