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MHN: NIOSH Lifting Equation (NLE)とISO 11228-1による荷物持ち上げ評価

【1】概要

 本ソフトMHNは、米国NIOSH(国立労働安全衛生研究所)のNIOSH Lifting Equation(以下、NLE)[1][2]とそのISOによる拡張版であるISO 11228-1:2021の荷物の持ち上げ下げの評価式(以下、単にISO){3][4]を利用した、作業による腰痛を中心とした筋骨格系障害予防のための評価ソフトである。NLEには単一タスク用と複数タスク用によるCLIがあるが、本ソフトはその両方に対応している。ISO 11228-1には荷物の持ち上げ・下げ(Lifting/Lowering)のほか運搬(Carrying)もあるが、本ソフトは持ち上げ・下げの部分にのみ対応している。また、ISOの複数タスク解析にはCLIのほかVLIやSLIがあるが、本ソフトではタスク数10以下のCLIにのみ対応している。
 本ソフトによる持ち上げ評価には、以下のような特徴がある。
1)反復の荷物持ち上げ作業の評価ができる。1分間あたりの反復回数と作業時間に応じた評価ができる。
2)1時点の姿勢を評価する生体力学解析とは異なり、持ち上げ・持ち下げ動作全体を評価できる。本法で想定されている持ち上げ動作は、高い位置の持ち上げは腕での持ち上げ(Arm-lift)、低い位置での持ち上げは前屈での持ち上げ (Stoop-lift)である。
3)ひねり姿勢や荷物の持ちやすさの影響のほか、ISOでは片手作業や2人や3人での持ち上げ作業の評価もできる。
4)複数タスク解析により、複数の持ち上げ条件の作業が組合わさった場合の解析もできる。
(注意)
1)本ソフトは、公開されている文献[1]~[5]などを基に作者が個人的に作成したものである。NIOSHやISOあるいは日本規格協会から何らかの公式な評価や認定を受けたものではない。
2)本ソフトは、作者が過去にリリースしたNLE用のソフト(NLE ver.0.9x, 1999-2002)の機能を拡張してWindows 10以降に対応させたバージョンである。
3)本ソフトは必ず「【5】注意」を読んでから使用すること。誤用すると危険な場合がある。
3)NLEは、他の文献等では1981年版の改訂版であることからRNLE (Revised NIOSH Lifting Equation)と略記されることも多い。本ソフトでは単に短くNLEと表記している。

【2】入力項目等

 目的に応じて手法の選択および対象集団の決定をしたのちに、荷物取り扱いに関する作業情報を得て入力する。NLEとISOで用語や略号が多少異なるので注意すること。ISOの原法では長さの単位は主にmが使われているが、ここではNLEに合わせてすべてcmの単位としている。

1.手法と対象集団の選択
 NLEとISOの別を指定する。NLEでは荷重定数LCとして23kgを利用する(対象集団は固定)。ISOでは、LCにあたる参照質量Mrefが対象集団により最高25kgから最低5kgまで選択できる。それぞれのMrefが想定する作業者集団の男女のパーセンタイル値がプルダウンメニューに併記されている。一般作業者を対象とする場合は、ISOの場合も25kgか23kgを選択する。

2.平均荷物質量Lav(kg)と最大荷物質量Lmax(kg), ISOではそれぞれm[kg]とmmax[kg]
 取り扱い荷物の平均と最大の質量をkg単位で入力する。LmaxはNLEのみ指定する。

3.荷物の水平距離H1, H2 (cm)
 足位置から荷物を保持している手位置までの水平距離を、荷物の移動元である始点(H1)と移動先である終点(H2)の両方でcmの単位で入力する。なお、足位置は足首の位置とし、足が前後している場合は左右の足首の位置の中点を足位置とする。手位置は握りの位置とし、左右の手位置が異なる場合は左右の手位置の中点を用いる。
 注1)H1およびH2は、体への干渉と手の水平方向へのリーチ距離から25~63cmの範囲が想定されている。
 注2)NLEは両手での荷物取扱い作業のみを対象としている。ISOでは片手・両手の両方に対応している。

4.荷物の垂直位置V1, V2 (cm)
 床から荷物を保持している手位置までの垂直距離を、始点(V1)と終点(V2)の両方でcmの単位で入力する。手の位置は、H1やH2と同じように定義する。
 注1)V1およびV2は、上方向のリーチ限界を踏まえて175cm以下とされている。175cm以上を指定すると、垂直乗数VMは0になるのでLIは計算できなくなる。
 注2)荷物の移動距離(V1とV2の差)の適用範囲は25~175cmとされているが、移動距離が25cm未満の場合は25cmとみなして処理される。荷物の移動距離が0 cmの条件(つまりV1=V2となる同じ高さの間での持ち上げ下げ)は適用可能だが、持ち上げ下げ動作のない保持姿勢への適用は推奨されていない。移動距離が175cmを超えると距離乗数DMが0になるのでLIが計算できなくなる。
 注3)本手法には持ち上げと降ろしの区別はなく、V1<V2なら持ち上げ、V1>V2なら降ろしとなる。始点と終点のどちらが高くても低くてよい。ただし、非常に速い持ち上げ動作(おおよそ1秒以内に75cm以上の距離を上げ下げする動作)や落としたり投げたりするといった荷物取扱い動作には適用できない。

5.非対称角A1, A2 (度)
 荷物が体の正面から何度ずれた位置にあるか示す角を、始点(A1)と終点(A2)で度の単位で入力する。この角は、床上における両足首中点を角度計測の中心とし、体の正面に荷物がある場合を0度、体の真横にある場合を90度とする。
 注1)ここで定義する非対称角A1およびA2は、荷物の位置を示す値であって実際の体のひねり量を示す値ではない。
 注2)非対称角は0~135度の範囲で指定する。135度を超えると非対称乗数AMが0になってLIは計算できなくなる。
 注3)本設定は、荷物の持ちあげ中に足を床から浮かせて動けない場合を想定している。持ち上げの途中に足を動かして体全体の向きを変えた場合は、動かした足の方向を踏まえた角度(体の正面なら0度)とする。ISOでは、荷物の始点と終点の間の水平移動距離は1m未満の場合を適用範囲としている。それ以上の距離の移動がある場合は、ISO 11228-1に別途記載されている運搬Carryingのほうで扱う。

6.頻度Fと作業時間LD
 1分間あたりの荷物の持ち上げ頻度F[回/分]と作業時間LD[時間]を入力する。
 頻度Fは、作業の観察あるいは作業設計の情報から決める。観察による場合は、基本的に15分間以上観察して毎分の持ち上げ頻度を測定する([2], p.13)。15分間に満たない場合は換算する。持ち上げ頻度Fが0.1回/分未満ならFM=1とし、作業時間LDも1時間以下とみなす([2], p.15)。Fが0.1~0.2回/分なら、F=0.2回/分とする([2], p.15)。なお、FMを求めるときの垂直位置は、始点・終点ともに始点の垂直位置V1を使う([2], p.74)。頻度FからFMを求める表はほぼFが整数の条件しかないが、Fが整数でない場合は近傍の値から線形補間した値を使う([2], p.7)。
 作業時間LDは、基本的に8時間以下で指定する。内部的にはLD≦1時間(短時間)、1<LD≦2時間(中時間)、2<LD≦8時間(長時間)の3区で処理されるので、あまり細かい単位での入力は不要である。ISOでは、8~12時間の間をさらに1時間刻みで区分して時間延長乗数EMとして利用している。NLEでも8時間以上の入力は可能だが、その場合は単に上限の8時間とみなして処理している(8時間以上の長時間労働に対する配慮はされない)。
 本法でいう作業時間LDは、単に持ち上げ作業のみを実行している時間とは必ずしも一致しない点には注意すること。詳細は、文献[2]~[5]を参照のこと。

7.荷物の持ちやすさC(Coupling)
 荷物の持ちやすさが良好、普通、不良のいずれにあたるかを選択する。結合乗数CMの計算時に使用される垂直位置Vは、始点・終点でそれぞれのVが使用されるので、CMは始点・終点でそれぞれ計算される。
1)良好:よい握りがある箱やコンテナがこれに該当する。柔らかい物や凹凸のある物も、手で包み持つことが簡単ならこれに含める。
2)普通:握りが最適でない普通の箱やコンテナがこれに該当する。柔らかい物や凹凸のある物では、指を容器の下に入れてほぼほぼ90度屈曲させて保持できるならこれに含める。
3)不良:握りが不適切な箱や容器および持ちにくい物がこれに該当する。

8.片手・両手O(ISOのみ)
 荷物の取り扱いが片手作業か両手作業かを指定する。NLEでは常に両手作業と想定している。

9.人数P(ISOのみ)
 1つの荷物を同時に2人あるいは3人で取り扱う場合に指定する。この場合、荷物質量Lav÷人数Pの質量を1人が扱うと仮定して評価される。NLEでは常に1人での作業としている。

10.終点での位置決め等の必要性SC (Significant Control)
 本法は、原則として荷物運搬の始点(移動元)で評価する。ただし、終点(移動先)で、荷物の握りなおしをする、しばらく保持する、正確に位置決めするといった作業の場合は、SCを[有]に指定する。その場合、始点と終点の両方で計算した評価値のきついほう(後述する推奨質量限界RWLあるいはRMLが小さい側)が採用される。

【3】基本的な使用法

 ソフトを起動すると、上段に単一タスクの入力と評価結果表示、下段に複数タスク解析用の入力値と評価結果が表示される。
 単一タスクのみの解析であれば、各条件の値を入力して[単一計算]をクリックすると結果が表示される。値をマウスホイールでアップダウンさせると、逐次その値での単一タスク解析結果が表示される。
 画面左の人型の図で、手の位置にある赤と青のマーカをドラッグすると、それに応じた水平距離と垂直位置の値が設定される。
 グラフでは、HMなどの乗数については、始点あるいは終点の採用された側の値(終点での位置決めが無だと始点側の値、有だと推奨質量上限が小さいほうの値)および、始点と終点の両方の値のグラフが表示される。グラフは1に近いと緑、0.75以下になると黄色になる。終点での位置決め等SCが無の場合は始点のみが有効で、終点側は透明な色で表示される。SCが有の場合は始点と終点のうちの採用された側が不透明な濃い色、そうでない側が透明な色で表示される。
 推奨質量上限(NLEではRWL、ISOではRML)は、この作業条件だとこの質量の荷物までが取り扱えるという値である(ISOで人数Pが2以上の場合は一人当たりの質量)。作業条件が良い(つまりすべての乗数が1)場合は、NLEの荷重定数LCあるいはISOのMrefと一致する。
 持ち上げ指数LIは、荷物質量を推奨質量上限で割った値である(NLEではLav/RWL、ISOでは1人当たりなので(m/P)/RML)。始点と終点のうちの採用された側のみの数値とグラフが表示される。グラフはLI≦1だと安全なので緑、高くなると緑から黄、さらにLI>2で赤となる。LIは、HMなどいずれかの乗数がゼロになると推奨質量上限が0になるので計算できなくなる。
 画面左の人型の図で、背景に色がついているところは、推奨質量上限あるいは持ち上げ指数のコンター図である。緑の領域が安全なエリア、赤の領域がリスクの高いエリア、黄色が両者の中間である。手位置のマーカをドラッグしてより緑に近い位置に始点や終点を移動させる。人の身長は、負荷定数(参照質量)が23 kgより高い場合は男性を想定して170 cm、それ以下の場合は女性を想定して160 cmとしている。
 複数タスク解析は、登録されたタスクが複数ある場合に[複数計算]をクリックするあるいは値を変更すると、逐次その時点での評価結果が表示される。複数タスク解析は、登録されたタスクが2つ以上の場合のみ表示さる。グラフはSTLIとCLIが表示される。複数タスクの場合、画面左上の「タスク」のタスク番号の下の「使用」にチェックがあると計算に含め、チェックがないタスクはCLIの計算から除外される(STLIはチェックの有無によらず計算・表示される)。
 評価結果の要約は、画面上段左のテキストボックスに表示される。複数タスクの評価結果の解説は、[複数計算]をクリックした場合のみ表示される。

(注意)本ソフトのCLIによる複数タスク解析では、最大10個のタスクを登録できる。本ソフトでの複数タスクとは、同じ作業時間帯に異なる荷物取り扱い条件で行っている場合のことである。異なる条件のタスクを順次行う場合はSLIという方法で検討できるが、本ソフトは対応していない。CLIは、タスク数が多くて頻度Fの累計が10回/分を超えると、多くの場合CLIが計算できなくなる。またISOでは、CLIは同じ質量の荷物を異なる荷物位置条件等で解析する場合を対象とし、荷物質量が異なる複数タスクはVLIを使うことになっている。NLEではISOのようなCLIとVLIの使い分けは明記されていない(文献[2]の例題には、荷物質量が異なる例が含まれている)。

【4】評価方法

1.持ち上げ指数(Lifting Index, LI)について
 LIは、与えられた作業条件がどの程度、筋骨格系障害のリスクを持っているかを示す総合的な評価指数として利用できる。LIはできるだけ小さいのが良いが、1以下にすれば障害の発生リスクは抑えられるとされている。ISOでは、いわゆるリスクレベルと対処法を以下のように示している[3][4]。本ソフトのLIのグラフでは、LI≦1を緑(安全)、LI>2を赤(危険)、その間を黄(注意)で表示している。
1)LI≦1:筋骨格系障害のリスクは非常に低い。特段の対処は不要。
2)1<LI≦1.5:筋骨格系障害のリスクは低い。極端に低頻度や高頻度あるいは静的な姿勢の場合は追加の調査や分析が必要。
3)1.5<LI≦2:筋骨格系障害のリスクは中程度。LIを下げるための作業再設計を行うこと。
4)2<LI≦3:筋骨格系障害のリスクは高い。高い優先度をもってLIを下げるための作業改善をすること。
5)LI>3:筋骨格系障害のリスクが非常に高い。直ちにLIを下げるため作業改善をすること。
 LIは、終点での位置決め等SCが必要なタスクの改善の必要性も示している。SCが必要な作業では始点と終点のうちでRWL/RMLが小さいほうを採択するので、常に高めのLIが選ばれてしまう。そこで、終点での荷物置きが簡単に短時間でできるように工夫をする(たとえば、きちんと置かなくてもよいように置き場所・置き方・コンベア等を工夫するなど)ことの効果が評価できる。

2.各乗数について
 HM, VM, DM, AM, FM, CM, OM, PM, EM の各乗数の値を比較することで、作業条件のどこを改善するのが最も有効かといった作業要因の順位付けが可能になる。これらの乗数はすべて0~1の範囲を取るので、このうち最も小さい値を取る乗数が最も大きい負担度を持つ要因と判断できる。値の小さい係数から改善を進めていけば効果的である。各乗数を1に近くするような一般的な改善法には次のようなものがある。
1)水平乗数HM:作業者と荷物の間の距離を短くできるように、障害物を取り除いたり荷物のサイズを小さくしたりする。床付近で荷物を取り扱うことがないようにする(足が邪魔になって作業者と荷物の間の距離が長くなるため)。もしそれが不可能なら、足の間に荷物を入れることができるように工夫すべきである。
2)垂直乗数VM:始点や終点の高さを変える。床付近や肩より高い位置での荷物取扱いは避ける。
3)距離乗数DM:持ち上げあるいは降ろし距離を短くする。
4)ひねり係数AM:体をひねらなくてすむように、始点と終点の位置を近づける。または、足を浮かせて体全体の向きをかえやすいようにワークスペースを確保したり始点と終点の位置を少し離す。
5)頻度乗数FM:荷物の持ち上げ回数や作業時間を減らす。休憩時間あるいは荷物持ち上げでない軽い作業を行う時間を増やす。
6)持ちやすさ乗数CM:荷物や握り手を最適なものに改善する。
7)片手乗数OM:両手で扱えるように改善する。
8)人数乗数PM:多人数で作業しなくてよいように荷物質量や荷物形状を改善する。
9)長時間乗数EM:ジョブローテーション等で業務時間の短縮を図る。

3.複数タスク解析について
 複合持ち上げ指数CLIは、1より大きければある程度の障害を発生させるリスクがあると判断される。値のリスク判定は、単一タスク解析のLIと同じ区分で行う。
 タスク別のLIであるSTLI(値は個々のタスクのLIと同じ)も、それぞれ1以下とすべきである。改善をする場合は、最も高い値のSTLIを示したタスクから改善を試みる。これは、CLIの計算式では最も高いLIのタスクに他のLIの低いタスクの増分を上乗せしてCLIを求める形になっているためである。また、全てのタスクのSTLIが1以下であってもCLIが1より大きい値の場合には、同様に改善を進める。なお、CLIの計算時、順位が2番目以降のdLIの計算で用いるFMの計算では、累積のF、そのタスク番号の始点の垂直位置V1とLDとCMを用いて決める([2], p.28)。
 タスク内での改善については、単一タスクの場合と同様に、最も小さい係数を与える要因を重点的に改善するといった方法を取る。

【5】注意

1.本法は次のような荷物取扱い作業には適用できない(文献[1][2]より)。
1)片手で荷物を取り扱う場合(NLEの場合)
2)8時間以上荷物取扱い作業を継続する場合(NLEの場合)
3)座った姿勢あるいはひざまずいた姿勢で作業をする場合
4)作業空間が制約されている場合
5)バランスのとれない荷物の取扱い
6)運搬や押したり引いたりするような作業での荷物取扱い
7)手押し車やショベルを使用する作業にともなう荷物取扱い
8)速い速度での荷物取扱い(おおよそ75cm/秒を越えるもの)
9)足元が悪い場合(靴と地面との間の摩擦係数が0.4未満の場合)
10)温熱環境が悪い場合(温度19~26℃、湿度35~50%の範囲にない場合)
11)ISOの持ち上げは、荷物質量が3 kg以上の場合が対象としている。
2.重量物の取り扱いに関しては、国内は「職場における腰痛予防対策指針」で男性の手作業での荷重は体重の40%まで(女性は男性の60%まで)とされている。国内の実務においては、これも踏まえて評価結果を活用すること。この国内指針との差を小さくするためには、ISOのほうの持ち上げで参照質量Mrefを男性が主な集団では23 kgか25 kg、女性が主な集団では15 kgに設定してRMLやLIを計算するとよい。
3.本ソフトはフリーソフトとして公開しているが、無断での複製や転載は不可である。
4.本ソフトは、使用者自身の責任において使用すること。作者は、本プログラムを使用したことによって生じたいかなる損害に対しても、それを補償する義務を負わない。
5.本ソフトはWindows 10/11上で作動する。
6.本ソフトは現在も改良を進めている。予告なく仕様を変える場合があることをご了承ください。

【6】作者および問い合わせ先

  ものづくりのための人間工学, 人間工学評価ツール開発メンバー
  URL https://ergo4mfg.com
  上記URLの問い合わせページよりお願いします。

【7】文献

[1] Waters, TR., Putz-Anderson, V., Garg, A., Fine, LJ., ” Revised NIOSH lifting equation for design and evaluation of manual lifting tasks”, Ergonomics, 36, 7, pp.749-776, 1993.
[2] Waters, TR., Putz-Anderson, V., Garg, A., “Applications manual for the revised NIOSH lifting equation”, DHHS (NIOSH) Publication No. 94-110 (Revised 9/2021), DOI: https://doi.org/10.26616/NIOSHPUB94110revised092021:[1]の解説本。パブリックドメインで全文ダウンロード可。初版は1994年1月に発刊。2021年9月に改訂版が発刊された。初版が白黒のイメージスキャン版だったのがきれいなカラーの電子版PDFになった。作業時間の説明の訂正等があり。例題がインチ・ポンドのため、センチ・kgに換算しても計算誤差がでて多少違う値がでる(荷重定数LCの変換誤差のため、条件値の変換のみでは誤差が残る)。
[3] ISO, ISO 11228-1:2021 Ergonomics – Manual handling – Part 1: Lifting, lowering and carrying.
[4] ISO/DIS 11228-1:2019 英和対訳版 Ergonomics – Manual handling Part 1: Lifting, lowering and carrying, 人間工学-手作業による取扱い-第1部:持ち上げ,持ち下げ及び運搬, 2019, 日本規格協会, 2020:[3]のdraftの対訳版。
[5] Colombini, D., Occhipinti, E., Alvarez-Casado, A., Waters, TR., “Manual Lifting – A Guide to the Study of Simple and Complex Lifting Tasks”, CRC Press, 2012, ISBN 9781439856635:NLEとISOの解説本。両者が作られた経緯や計算法、解説など詳しい。ただしISO 11228-1に関しては、2003年の旧バージョンに基づいているので注意すること。
[6] Mital,A., Nicholson, AS, Ayoub, MM., “A Guide to Manual Materials Handling, 2nd Edition”, CRC Press, 1997, DOI: https://doi.org/10.1201/9780203719633 : 様々な荷物取り扱い姿勢での作業推奨値が記載されている。本法には含まれない乗数(温熱、重心、頭上スペース、手クリアランス)についての記載もあり(文献[5]にて紹介されている)。

(補足)
圧縮ファイルの中に、文献[3]の単一タスクと、文献[2]の複数タスクのサンプルデータが含まれている。ただし、文献[2]の例題は、単位変換の誤差の関係で文献値とは多少違う値がでている。