HET: HSEの作業評価ツール(MAC/RAPP/ART)対応ソフト
【1】概要
本ソフトHETは、英国のHSE(Health and Safety Executive, 安全衛生庁)が開発した作業に関連する筋骨格系障害予防のための以下の3つの作業評価ツールのためのソフトである。
1)MAC tool(マック・ツール):Manual handling assessment charts:マニュアルハンドリングのアセスメントチャート[1]。荷物の持ち上げ下げ、運搬、複数人のチームでの運搬の評価。
2)RAPP tool(ラップ・ツール):Risk assessment of pushing and pulling:押し引き作業のリスクアセスメント[2]。台車を使った押し引き作業および台車を使用しない荷物の押し引き運搬の評価。
3)ART tool(アート・ツール):Assessment of repetitive tasks of the upper limbs:上肢反復タスクのアセスメント[3]。手での反復動作を伴う作業の評価。
いずれの手法も、人間工学や産業保健の専門ではない企業の雇用主や安全管理者が作業の評価と改善を実施するために作成されている。そのため、それぞれ10個前後の3択の項目を中心に構成されたシンプルなツールとなっている。また、取り扱い物や作業姿勢だけでなく、通路の状況や温熱環境などの作業環境も含めた広い要因があわせてチェック・評価できるようになっており、それが本法の特徴でもある。
3手法とも、基本的にはチェックする作業要因ごとにリスクの高低が区分されているので、改善する場合には、それらの要因を中心に改善を進める。その際、各要因のリスクがスコアになっているので、特に高いスコアの要因の改善を進めることになる。いずれのツールも、スコアの合計の値が下がるように改善する。ARTについては、スコアに応じた改善の対応の判定が行われるようになっている。
HSEによる詳細な図入りの解説資料、動画マニュアル、オンラインソフトなどは、HSEのサイト[4]で公表されているので、最初はそちらの図やイラストなどを参考にすること。
なお、原法に対して本ソフトでは以下の2点を変更している。
(1)本法では各項目を緑(低リスク)・黄(中程度のリスク)・赤(高リスク)・紫(許容不可能なリスク)で表示している。その際、黄はAmbar(琥珀色)が使用されているので略記はAとなっている。本ソフトでは、日本国内の通常の色区分にあわせて単純に「黄」(Yellow)と表記している。
(2)ARTは他の2手法とは異なり、「許容不可」を示すのに「紫」を使用していない。「許容不可」の区分があるのは、3手法とも荷重や力のところである。本ソフトでは、表示を統一するため、ARTについても力発揮のところの「許容不可」の区分は「紫」で表示している。
その他、ソフトに作りこむ都合や日本の実態に合わせるため、表現を短めにしたり例示を置き換えたりした部分もある。使用に際しては、必ず原本の資料[1]~[3]を事前によく読んでおくこと。
3手法の概要や入力項目についての説明はそれぞれ文献[1]~[3]に記載されているが、一部は文献[5]により詳しく説明されているので、そちらも参照すること。
【2】データファイルの扱い
・画面で入力した設定値やスコアは、画面右端中段の[レコード]の[保存]や[上書]で保存される。保存せずに別なレコードに移動すると、入力した設定値は消える。保存したレコードデータは、[削除]で削除できる。保存できる最大レコード数は1,000件である。
・データの保存先のファイルは、画面右端上段の[ファイル]の[新規]・[保存]で指定できる。[開く]を使うと、既存ファイルの読み込みができる。
・起動直後にファイルを指定しないと、ドキュメントフォルダの\Ergo4MFG\HETフォルダ内のHETdata.hetというファイルにデータは仮保存される。のちに[ファイル]の「保存」から保存すべきファイル名を指定すると、そのファイルにデータは保存される。
・保存データは、CSV形式(シフトJIS)で保存されているテキストファイルなので、そのままエクセル等で利用することが可能である(ファイルをコピーして拡張子を.csvに変更するとエクセルですぐに読み込める)。本法は、1つのファイルに複数のツールのデータを保存できるようにしたので、1レコードが変数名リスト1行とデータリスト1行の2行の単位で保存されている。
【3】使用法
評価対象とする場面を決め、適用できるツールを選んで対応するソフトのタブを選ぶと、各評価が1画面で行えるようになっている。本ソフトでは、MACが3画面、RAPPが2画面、ARTが1画面に割り振られている。それぞれの場面をタブで選び、各作業要因の項目を入力する。多くの項目は、ラジオボタンで3~5個の選択肢から1つを選ぶようになっている。
入力に応じて、随時、各項目の判定とスコア、全体の集計したスコアおよび各項目の判定区分の集計結果などが表示される。タブの外の画面右上に表示される判定区分の集計結果は、入力結果の確認のために本ソフトで追加した機能である(原法にはない)。また、ARTについては現法に全体の合計スコアから求めた曝露スコアに基づいた低・中・高の判定法があるのでそれに従った判定を表示している。他の2手法については、各項目の区分で最もリスクの高い区分のものを、そのまま判定結果としている。つまり、緑が低、黄が中、赤が高である。紫の区分の項目があった場合は、3手法とも「不適」と表示している。
なお、黄や赤の区分の場合は、それぞれの区分でスコアがついており、リスクが高いほど高いスコアが表示されるようになっている。しかし紫の区分については、MACは赤よりも高いスコアが紫についているが、RAPPやARTには紫にはスコアがついていない。そのため、紫で不適と判定された場合は、合計スコアの高低によらず、紫となった作業要因を直ちに改善する。
1.MAC(持ち上げ)
荷物の持ち上げ・下げを評価する方法である。おおむね1時間以上の作業時間が想定されている。上肢のみによる軽い荷物(おおむね8[kg]未満)の反復持ち上げ作業の場合は、ARTのほうが適合する。
入力項目は、以下の8項目である。
持ち上げ・下げの始点と終点で条件が変わる場合は、悪い条件のほうで評価する。
1)荷重と頻度:荷重と頻度の関係図(文献[1]参照)で4段階に区分する。ソフトでは、荷重をkg、頻度を[回/分]で入力すると、自動的に区分が判定される。荷重が高いほど頻度を下げないと、リスクが高いと判定される。1日1回のみの持ち上げで緑と判定される限界は23[kg]で、すべての頻度で紫の許容不可と判定されるのは50[kg]以上になっているので、NISOHのLifting Equation (NLE)やISO 11228-1と整合する結果が得られるようになっている。なお、荷重が10[kg]未満だと、いずれの頻度でも緑と判定されるようになっている。頻度が12[回/分]より高い場合はいずれの荷重においても紫の許容不可と判定する(原本には、フルリスクアセスメントを行うようにとある)。
図で表示されている荷重と頻度の図の中をマウスでクリックあるいはドラッグすると、図のその位置での荷重と操作力が自動的に入力・判定される。
2)手と腰との水平距離:荷物の位置が腰から離れるほど上肢や腰部への負荷が高まるのを反映した項目である。体幹の前傾があると手と腰との水平距離が遠くてリスクが高いと判定されるので、これに含めて判定されていることになる。
3)手の垂直位置:膝高から肘高の範囲が適切で、それより高すぎても低すぎてもリスクが上がる区分になっている。
4)体幹のひねりや側屈:体幹のひねりや側屈がある場合のリスクに配慮した項目である。
5)姿勢の拘束:場所が狭い場合や天井が低いなどの制限があると、適切な姿勢で持ち上げができなくなることに配慮した項目である。
6)荷物の持ち手:持ちにくい荷物は、荷物の把持のために無駄な上肢の力を使ったり姿勢が不自然になったりしやすい。それをふまえた項目である。
7)床面:作業する場所の床面が滑りやすいとかぬかるむとかがれきがあるなどの制限があると、適切な位置に立って安定した持ち上げ作業ができなくなることに配慮した項目である。
8)環境要因:熱い・寒い・風が強い・照明が不完全で暗いなどの条件があると、負荷が高まることに配慮した項目である。
2.MAC(運搬)
本法は、手で荷物をもって水平に歩行して運ぶ作業を1人で行う場合の評価法である。
入力項目は、以下の9項目である。
1)荷重と頻度:持ち上げ同様、こちらも荷重と頻度から4段階で区分される。1日1回だけの条件で緑となる荷重は25[kg]、許容不可となるのが50[kg]となっているので、持ち上げ同様、NLE等とも一貫性がある。これは、荷重が50[kg]以上あるいは頻度が5[回/分]以上になると、すべて紫で許容不可と判定するようにしている(フルリスクアセスメントをすること)。逆に頻度が5[回/分]未満だと、荷重が10kg以下ではすべて緑と判定される。
図で表示されている荷重と頻度の図の中をマウスでクリックあるいはドラッグすると、図のその位置での荷重と操作力が自動的に入力・判定される。
2)手と腰の水平距離:持ち上げと同様である。
3)体幹や荷物の非対称性:運搬時の体のひねりや側屈のほか、運ぶ荷物を片手に持っている場合(黄)や、荷物も体もひねって片側で両手に持って運ぶ場合(赤)などが考慮される。
4)姿勢の拘束:持ち上げと同様であるが、その他、狭い出入り口をとりぬける際に荷物の取り回しが必要な場合(黄色)なども考慮される。
5)荷物の持ち手:持ち上げと同様である。
6)床面::持ち上げと同様である。
7)運搬距離:本手法での運搬は2~10[m]の範囲が対象になっている。2[m]未満の運搬は持ち上げのほうで評価することになる。
8)運搬路の障害:傾斜が急、閉じたドアや狭いドアがある、障害物の迂回が必要、はしごの使用などが考慮される。
9)環境要因:持ち上げと同様である。
3.MAC(チーム運搬)
本法は、2~4人で荷物を一緒に手で持って運搬する作業の評価法である。
入力項目は、以下の11項目である。
1)荷重:人数に応じた荷物質量の区分で入力する。1人あたりの質量は、人数が多くなるほど低下する(体格差があったり協調して運搬する姿勢や動作が難しくなったりするため)。
2)手と腰の水平距離:持ち上げと同様である。
3)手の垂直位置:持ち上げと同様である。
4)体幹のひねりや側屈:持ち上げと同様である。
5)姿勢の拘束:運搬と同様である。
6)荷物の持ち手:持ち上げや運搬と同様である。
7)床面::持ち上げや運搬と同様である。
8)運搬距離:運搬と同様、2~10[m]の範囲が対象になっている。
9)運搬路の障害:運搬と同様である。
10)チーム内のコミュニケーション:チームで合図をして持ち上げ・降ろしをするなどの協調作業の状態を考慮する。
11)環境要因:持ち上げや運搬と同様である。
4.RAPP(台車押し引き)
台車に物を載せて押し引きして運搬する作業の評価法である。
台車としては、「台車小」は一輪車や二輪車など動かす際に手で支える必要がある(ハンドルを持ち上げないと動かない)もの、「台車中」は車輪が3個以上の台車やユーロビン (Euro bin)など押すだけで動かせるもの、「台車大」はハンドリフト・ハンドパレットなどと呼ばれるものである。
入力項目は、以下の9項目である。
1)荷重:台車に詰む荷物の質量と台車の種類で区分する。ここでの荷重は、実際の押し引き力ではなく、台車と荷物の総質量である。
2)姿勢:台車を押し引きする際の姿勢が前傾を強めて高い押し力にしなければならない場合はリスクが高い区分になる。
3)手の握り:持ちやすいかどうかである。つかむ場所がないとか手が触れる部位が凹凸が激しくて把持したり手をかけたりしにくい場合は、リスクが高いとみなす。
4)作業パターン:反復作業かどうかと、休憩や交代の自由度があるかどうかを評価する。
5)運搬距離:10[m]以下の短い距離から30[m]以上の遠い距離までを区分して入力する。
6)台車等の状態:台車は定期的にメンテナンスをしていないと、キャスターが壊れて操作力が高くなったりまっすぐに進まなくなったりするなどの不具合が生じる。そういったリスクを考慮するのがこの項目である。
7)床面:運搬と同様である。
8)運搬路の障害:運搬と同様である。
9)他の要因:荷物が不安定である、荷物が大きくて進路方向の視野がさえぎられるなど多様な項目が含まれている。それらが1つあるいは2つ以上あれば黄または赤になる。
5.RAPP(荷物押し引き)
車輪の付いた台車を使わず、転がしたり押し引きしたりして荷物を運搬する方法である。本法での運搬方法としては、丸い荷物を真横にしてころころ転がしながら押し運ぶ方法(「転がし」と仮称。 rolling)、四角い荷物を傾けて荷物のかどを軸にして回転させたり底辺が丸い荷物なら少しだけ傾けて転がしたりしながら運ぶ方法(「斜め転がし」と仮称。原文の英語ではchurning)、荷物をそのまま引きずったり紐を荷物にかけて紐を引いて運んだりする方法(「引きずり」。原文ではdragging, hauling, sliding)の3種類が示されている。
入力項目は、以下の8項目である。
1)荷重:上記の3種類の押し引きの運搬方法ごとに、取り扱い物の荷重(質量)が示されている。「引きずり」では、押し引きに必要な力が最も高くなるので、軽い荷重で高いリスクがあるように区分されている。
2)姿勢:台車押し引きと同様である。
3)手の握り:台車押し引きと同様である。
4)作業パターン:台車押し引きと同様である。
5)運搬距離:2[m]以下の短い距離から10[m]以上の遠い距離までを区分して入力する。台車押し引きよりも短い運搬距離で高いリスクになるよう区分されている。
6)床面:運搬と同様である。
7)運搬路の障害:運搬と同様である。
8)他の要因:台車押し引きと同様である。
6.ART(上肢反復動作)
本法は、上肢を使った繰り返し作業を評価するための方法である。おおむね1日あたり少なくとも1~2時間同じ作業を繰り返すものを評価する。
本法は、コンピュータなどの情報端末の作業評価には適用できない。
入力項目は、以下の12項目である。
1)腕の動き:腕の動きが断続的か静止を伴うか連続的かを区分する。
2)反復:1分間あたりの反復回数である。本法では10[回/分]以下が緑、10-20[回/分]が黄色、20[回/分]より多いと赤となる。
3)手での力発揮:力発揮の程度と時間割合から区分している。力発揮の程度は、Borg CR10スケール[BS]に対応させると、「軽」は2以下、「中」は3-4、「強」は5-6、「非常に強」は7以上である(HSEのARTのFAQより)。ほぼ最大発揮に近い「非常に強」は「許容不可」と紫で判定される(前述の通り、原法の図では赤だがMACやRAPPに合わせて紫にしている)。
4)頭や頸の姿勢:頸の屈曲やひねりの程度で区分する。
5)体幹の姿勢:前屈・側屈・ひねりの程度と時間割合から区分する。
6)腕の肢位:腕が体から離れている程度と時間割合から区分する。
7)手首の肢位:手首の曲がり(掌屈・背屈や橈屈・尺屈)の程度と時間割合から区分する。
8)手や指での握り:手全体でつかむ握り方(握力把持)が緑で、指先でつまむような持ち方(指先ピンチや指把持)などは黄や赤に区分される。
9)休憩せずに働く時間:連続作業時間である。
10)作業ペース:ついていけるペースなのか、速すぎてしばしば遅れてしまうようなペースなのか区分する。
11)他の要因:その他の多彩な要因が例として挙げられている。なければ緑、2個以上あれば赤の区部になる。
12)作業時間:作業時間に応じてスコアへの乗数の大きさが決められる。
13)心理社会要因:様々な社会要因が例示されている。これは有無のチェックはするが、判定やスコアはなく、評価には影響しない。
本法では、全項目のスコアの単純和を「タスクスコア」、それに作業時間に応じた乗数をかけた値を「曝露スコア」と呼んでいる。左右は別々に計算し、左右のない項目は両方に加算してタスクスコア・曝露スコアを求める。曝露スコアは以下のように判定される。
1)0-11:曝露レベルは低。個別の状況で判断する。
2)12-21:曝露レベルは中。さらなる調査が必要。
3)22以上:曝露レベルは高。直ちにさらなる調査が必要。
【4】結果と解釈
画面で項目のデータを入力するたびに、計算結果が更新されて画面右下に要点が表示される。
判定は各ツールごとの前述の説明のとおりである。
全体の評価結果が中リスクあるいは高リスクとなった場合は、各項目で中リスクあるいは高リスクに区分された項目のリストが表示される。それらの項目のうち区分が高いリスクでかつスコアの高いものを優先的に改善する。
入力画面に各項目の作業状況が記載されているので、その説明を参考により低リスクな区分になるように改善を進めるとよい。
改善は、作業姿勢や作業方法を改善するように作業者に指示する(組織的改善)よりも、作業環境や作業設備(補助具・工具)などを改善してハザードを直接削除あるいは減らす改善(工学的改善)を行うのが望ましい。具体的に設備等の改善を進めるため、作業者のみならず生産技術者や現場の管理者ともよく意見交換をすること。
【5】注意
1.MAC, RAPP, ARTの3手法とも、基本的には同一の内容の作業を繰り返す場面で利用される評価法である。
2.MACに関しては、多様な荷物取り扱い条件の評価用にV-MACという方法がある。これの詳細についてはHSEのウエブサイト[7]を参照のこと。
3.MACの開発経緯について書かれた文献[6]によると、MACの持ち上げと運搬の荷重と頻度の表は、Snook-Ciriello tables (1991)をもとに決められいる。緑と黄の境界は女性の50%、黄と赤の境は男性の50%、赤と紫の境は男性の90%(表では10%の値。ただし50[kg]を超える場合は50[kg]とする)が受容できる値である。持ち上げについては、荷物幅は34cm(最小)、持ち上げ高さは76cm(最大)、床からナックル高さまでの持ち上げの値を利用している。持ち上げと持ち下げの表で小さいほうの値を採用(ほとんどは持ち下げより持ち上げの値のほうが小さいので持ち上げの値を使用)している。運搬については、運搬距離が2.1[m]、握りの高さが1.1[m](男性では111 cm、女性では105 cm)の値を採用している(表には6秒/回の値もあるが、それは利用していない)。
4.MACの持ち上げと運搬の「A.荷重と頻度」については、緑の領域でないと日本の腰痛予防対策指針による取扱い質量の上限値は満たさない(特に女性)。また、このAの値は、荷物との水平距離、体のひねり、荷物の持ちやすさなどを考慮しない理想的な条件での値なので、注意すること。これらの影響は、B以降の項目で別途チェックされるようになっている。
5.文献[1]~[3]にあるように、いずれの手法も原文では最後にまとめ用のスコアシートがある。特にMACについては、フルリスクアセスメントをする必要があるかどうかの4項目のチェックがある。頻度が持ち上げで12[回/分]、運搬で5[回/分]を超える場合、座位で男性で5kg以上・女性で3kg以上の荷物を扱う場合、肩にかけて荷物を運ぶ場合、妊婦さんなどなど、MACの適用外等の理由でフルリスクアセスメントが必要な場合が記載されている。必ず事前に確認のこと。
6.ARTについては、異なる作業はそれぞれ別々に評価し、スコアの比較や赤の項目の比較などを行う。これにより、複数のタスクをローテーションで回すことの妥当性の検討にも利用できるとある。
7.本ソフトはフリーソフトとして公開しているが、無断での複製や転載は不可である。
8.本ソフトは、使用者自身の責任において使用すること。作者は、本プログラムを使用したことによって生じたいかなる損害に対しても、それを補償する義務を負わない。
9.本ソフトは、現在も改良を進めている。予告なく仕様が変わる場合があることをご了承ください。
10.本ソフトはHSEの文献[1]-[3]をもとに翻訳した内容を含みます。Copyright licenseの表記は以下の通りです:
This software contains public sector information published by the Health and Safety Executive and licensed under the Open Government License(このソフトウェアには、Health and Safety Executiveによって公開され、Open Government Licenseの下でライセンスされている公共部門の情報が含まれています)
【6】作者
ものづくりのための人間工学, 人間工学評価ツール開発メンバー
URL https://ergo4mfg.com
上記URLの問い合わせページよりお願いします。
【7】文献
[1] Health and Safety Executive, Manual handling assessment chars (the MAC tool), INDG383 (rev3), 2018.11:MAC toolのHSEのオフィシャルな解説書
[2] Health and Safety Executive, Risk assessment of pushing and pulling (RAPP) tool, INDG478, 2016:RAPP toolのHSEのオフィシャルな解説書
[3] Health and Safety Executive, Assessment of repetitive tasks of the upper limbs (the ART tool) Guidance for employers, INDG438, 2010.03:AET toolのHSEのオフィシャルな解説書
[4] Health and Safety Executive, Manual handling at work, https://www.hse.gov.uk/msd/manual-handling/index.htm (2023/08/17閲覧)
[5] Health and Safety Executive, Manual handling -Manual Handling Operations Regulations 1992, Guidance on Regulations, L23 (Fourth edition), 2016:3手法を含む荷物取り扱い全般の規則1992(L23)の解説資料。なお、第3版までにあったフルリスクアセスメントのための資料は、オンライン資料に移行したと明記されている。
[6] Simon C. Monnington, Andrew DJ Pinder, Chris Quarrie, Development of and inspection tool for manual handling risk assessment, HSL/2002/30:MACについての開発の経緯を記載した資料
[7] Health and Safety Executive,Variable manual handling assessment chart (V-MAC) tool, https://www.hse.gov.uk/msd/mac/vmac/index.htm (2023-08-17閲覧)